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2012.03.01

昭和にタイムスリップする

 今日は、愛知県立高校はおおむね卒業式であった。よって、午後から休みを取って、奥さんと昼飯としゃれこむ。当初は別の店に行くつもりであったが、駐車場が満車。あきらめて駐車場を出ると、奥さんがぽつりと「東京には空が無い」じゃない、「うなぎ」とおっしゃる。

 愛知県瀬戸市は、陶磁器の町として有名だが、鰻の町としても知られる。一度窯に火をつけると数日離れられない陶工が手早く食べられる精のつくものとして発達したとかいう話を聞いたことがある。よって、瀬戸市内には結構多くの鰻屋があるのだが、後継者不足とかで次々と閉店しているらしい。あたしがたまに(だって金ねーもん)寄っていた鰻屋も閉店してしまった。

 で、今日訪れたのは、かの弘道おにいさんも訪れたという鰻屋、瀬戸市深川町にある「田代」。全席数14のこの店、来るのは初めてである。しかし、うまいといろいろな方から話を聞いていたので、この際ということで行ってみた。

 平日の昼過ぎということで、幸い、カウンターに座ることができ、前客が帰った後、テーブル席に移してもらえた。カウンター席からは、店員が鰻をつかみだし、頭に目打ちを差し、腹開きにし、二等分にして、串を打ち、焼く。どの鰻店でも同じように焼いているのだろうが、客の目の前で開き、焼く店はめずらしい存在になってしまった。もちろん、蒸しなどしない関西風である。鰻を焼き始めると、客席まで煙が流れ込んできて店中煙だらけとなり、いぶされてしまう。そういうのを嫌う方は、この店で食事はできない。

 ほどなく鰻丼(並)が出てくる。並と言っても、鰻がまるまる1匹分乗っている。画像は、そこらへんでぐぐってもらうとして、鰻が丼の上で重なり合い、飯が見えない状況。これにインスタントの吸い物ときゅうりの漬物。でも、これで\2,200だぞ。鰻だけ見ても、そこらへんの店の特上くらい乗っている。これで文句を言ったらお天道様に叱られる。これでも、鰻の値上げによって、今年から値上げしてこの値段だそうだ。関東方面だと外側がかりっ、中がふわっという表現をされるのだが、この店の鰻は、外がかりっ、で、中が弾力がある中で柔らかいという焼きかげん。おいしゅうございました。

 帰りに、近くのアーケード街を歩く。そこには昭和があった。店構え、商品の並び方、全てが昭和時代のまま時間が止まっている。こういうアーケード街は、さびれて歯抜け状態になっていることが多いのだが、まだ多くの店が現役でがんばってらっしゃる。そして、瀬戸の町で行われている雛めぐりのイベントに協賛して、多くの店で雛人形を飾っており、華やいでいた。

 こういう時代から切り離された町ってのは、そこここにある。昭和生まれの者、特に1970年以前に生まれた者にとって、こういう風景は郷愁を感じる。もちろん、その郷愁のためにこのままでいてほしいというのはエゴである。しかし、そういう風景が町の人に愛され残っていくなら、それは喜ばしいことだと思う。

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