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2011.09.26

新聞屋は、仕事をしているのか?

 高校の生物Ⅰで、植物の花芽を形成させるホルモン・フロリゲン(花成ホルモン)を学習する。このホルモン名称はフロリゲン、あるいは花成ホルモンである(高校教科書の場合、『生物教育用語集』って本に準拠しているため、花成ホルモンがメインで書いてあるが)。

 さて、このたび、奈良先端科学技術大学院大の島本功教授らが、イネのフロリゲン遺伝子をジャガイモに導入し、通常芋ができない環境で芋形成を促進することを発見した。その記事が、各社めちゃくちゃ。

 いっちゃん正しい書き方をしているのが日本経済新聞。フロリゲンがタンパク質だという記述も正確に行われている。

 それに対し(いずれもオンライン。「 」内が見出し、その下に本文から引用した文)。

★中日新聞WEB
 「花咲かホルモン、イモ作る 奈良先端大のチーム」
 植物の花を咲かせるホルモン「フロリゲン」(花咲かホルモン)が、

★朝日.com
 「花咲かホルモン、イモにも効果 奈良先端大など研究」
 植物に花を咲かせる「花咲かホルモン」は、

★毎日新聞
 該当記事探しきれず

★読売新聞
 該当記事探しきれず

★MSN/産経ニュース
 「花咲かホルモン」イモも作る 奈良先端大「ジャガイモ増産の可能性」
 植物が花を咲かせる上で重要な働きをする「花咲かホルモン」(フロリゲン)

★47NEWS/共同ニュース
 「花咲かホルモン、イモ作る 奈良先端大のチーム」
 植物の花を咲かせるホルモン「フロリゲン」(花咲かホルモン)が、

 ってな具合に、みんな判で押したように「花咲かホルモン」って表現を使っているのだ。おそらく、この記事を配信した通信社が「花咲かホルモン」って配信し、受信した新聞社が、内容の裏も取らずにそのまま右から左へ垂れ流した結果がこれではないかと思う。しかも、こう書かれちゃうと、このホルモンの正式名称が「花咲かホルモン」なんてけったいな名前だと一般民衆に思い込ませかねない。もちろん、テストで花咲かホルモンなんて書いた日にはペケである。

 高校の教科書に載っている程度、しかも、生物Ⅰである。文系の人間の多くが履修しているはずの科目である。その用語がチェックできない。かねてから、新聞社の理系的なセンスがないと主張しているのだが、理系センス以前に、与えられたニュースソースを検証するという、新聞屋として最低のことができていないことが露呈していると思う。世の中には「新聞に書いてあるから正しい」という人間がいるが、今の新聞は自分自身で裏を取らないと、信頼できないこともあることは肝に銘じなければならない。仮に新聞社数社が同じ内容の記事を掲載していてもだ。

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コメント

この発見をした島本功先生に、直接メールを送って伺ってみました。

 要約すると、

(1)植物生理学会では「花成ホルモン」と呼ぶ。

(2)しかし、新聞社によって開花ホルモンと間違えていたりすることがある。

(3)フロリゲンの発見の際、ある新聞が「花咲かホルモン」と呼んだところ、わかりやすかった。

(4)よって、その後新聞用には花咲かホルモンといういい方も使っている。

のだそうだ。生徒に全文をプリントアウトして配ったら、なんか尊敬された。しかし、やっぱり、新聞屋は理系センスないのね。

投稿: 井村 瑶茉 | 2011.10.03 19:47

こばりんさん、こんばんは。

 新聞だからこそ、総合的な知識が欲しいんですけどね。

投稿: 井村 瑶茉 | 2011.10.03 19:41

 以前から新聞に限らず、マスコミ各社の報道部門の理系力の薄弱さは落涙モノです(^_^;)。こないだも「ガス巨星の地表温度」とか書きまくってましたしねぇ(^_^;)・・・地表ってドコよ(^_^;)?正しくは「表面温度」だろう(^_^;)?

 ま、採用からして文系中心だろうから仕方ないのかもしれませんけどね(^_^;)。

投稿: こばりん | 2011.09.26 20:55

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